
しおさとまつり@後楽園のおもてなしイベント
2018-03-03 (土)
開演時間 13:00~15:00
公演場所 岡山後楽園能舞台
第1部 古典三題「飛越」「萩大名」「二九一八」
◆ 飛越(とびこえ)
・粗筋:新発意(しんぱち:出家して間もない少年)と檀家の二人が茶会に向かう道中、小さな川があって飛び越えなければならない。檀家はサクッと飛び越えるのだが、新発意は走ったり、目を閉じたりして試みるがぜんぜんダメ。茶会までの時間がないのでシビレを切らした檀家、一緒に飛ぼうと誘い自分は飛び越えるが、新発意は川に落ちずぶ濡れに、、、
・出演:新発意;西村秀子、檀家;脇坂和子
◆ 萩大名(はぎだいみょう)
・粗筋:訴訟事のため長らく在京していた田舎大名は、訴訟も無事に済み近々帰国することとなる。都の名残に遊山に出掛けようと太郎冠者に相談する。太郎冠者は、宮城野の萩が盛りの庭見物を提案するが、その庭の持ち主は大の当座(=即興の和歌を詠むこと)好きで見物客に所望すると言う。歌を詠む嗜みのない大名に、太郎冠者は一計を案じ、和歌のカンニング法を伝授するのだが・・・
・出演:太郎冠者;田賀屋夙生、大名;斉藤章夫、庭の主人;成瀬和惠
◆ 二九一八(にくじゅうはち)
・粗筋:妻のいない男は、いつまでも独り身ではなるまいと思い、妻乞いの祈りをしに清水の観世音に参る。すると、「西門の一の階に立った者を妻にすべし」とのお告げがあった。早速西門に行くと、高貴ないでたちの女性を見つける。男は、声を掛けるのだが、、、
・出演:男;成山佳子、女;田中宣史
―― 休 憩 ――
第2部 新作狂言「枝条架物語」(しじょうかものがたり)
・粗筋:台湾塩業開発から5年振りに帰国した番頭・春藤武平は、昔ながらの入浜式塩田の過酷な作業を何とか楽にさせたいと思っていた。当時、国内やヨーロッパで枝条架方式塩田が検討されていたが中々上手く行ってなかったため、何とか自分が成功させると浜子たちに約束をした。ある日、下津井に行った武平は、そこで底引網が干してあるのを見て、、、、
・出演:番頭・春藤武平:成山佳子、手代甲:田中宣史、手代乙:成瀬和惠、
浜子頭:斉藤章夫、浜子壱:西村秀子、浜子弐:脇坂和子
第3部 古典狂言「水掛婿」(みずかけむこ)
・粗筋:水田を見回りにやって来た舅は、自分の田に水がないことに驚く。よく見れば隣に田を持つ娘聟が、畦を切って自分の田へ水を引き入れている様子。見兼ねた舅は聟を待ち伏せて意見をするが、忠告はやがて口論となり互いに身勝手な持論を展開。そこへ騒ぎを聞きつけ仲裁にやってきた娘までも巻き込んで・・・
・出演:(舅)田賀屋夙生、(娘婿)島田洋海、(娘)田辺大蔵
ご 挨 拶
本日は、由緒ある後楽園開園記念の能舞台にて、玉野しおさい狂言会による「しおさとまつり」を演じさせていただく機会を頂き、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。
玉野しおさい狂言会は、玉野が塩作りの里 “しおさと”であったことを、狂言という日本古来の伝統芸能を使い、笑いながら学び笑いながら伝える活動を行っています。2009年玉野市東部の山田地区から始まったこの活動は、笠岡市在住の大蔵流狂言師・田賀屋夙生師に指導を仰ぎ、練習を重ねて参りました。拙い演技ではありますが、最後までお寛ぎいただき大いに笑っていただければ幸いです。
昔ながらの入浜式塩田の過酷な労働を何とか楽にさせたいと願っていた春藤武平は、下津井の港に干してあった底引き網の藻から滴り落ちる潮水を見て、枝条架式製塩法を思いつきました。枝条架法の開発は昭和初期に始まりましたが、実用化できるまでに10年以上を要しました。今年の新作狂言はその枝条架開発話をモチーフとしました。枝条架流下式は、入浜式に比べ10分の1の労力で3倍の生産量がありました。春藤武平は、その功績により後にナイカイ塩業㈱の社長にまで上り詰めました。
また、本日の「しおさとまつり」は、多くのご協賛者から貴重なご芳志を賜っております「玉野みなと芸術フェスタ2017」との共催として開催いたしております。この紙面をお借りし、厚くお礼申し上げます。
会員一同、皆様のご期待に応えられますよう、精一杯演じたいと思います。今後とも、皆様のご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げ、後楽園開園記念公演「しおさとまつり」開催に当たってのご挨拶とさせていただきます。
玉野しおさい狂言会
代 表 斉藤 章夫
玉野しおさい狂言会
田賀屋狂言会
田賀屋夙生師プロフィール
笠岡市在住の狂言師。1980年四世茂山千作師(故人)、十三世茂山千五郎師に師事。1989年より「田賀屋狂言会」を主宰。岡山県芸術文化賞審査委員を務めるなど、岡山を中心に精力的に狂言普及活動を行い、海外でも高い評価を得ている。2009年より「玉野しおさい狂言会」を指導。
島田 洋海師プロフィール
田賀屋夙生師の次男。2002年十三世茂山千五郎氏に入門、師事する。同年京都能楽養成会入会。修行中は日本一忙しい書生を自負し、日々精進する。2009年4月京都能楽養成会を卒業し、独立。現在、京都を中心に活動しつつ、岡山周辺にも狂言普及のために活動の場を拡げている。
https://www.facebook.com/tamanominartfest/?hc_ref=ARSgro6VvKQ7OXjpN3Aiowu1GQdEaNX5eyPjfePWKayLt2M4g-jXy2QEHEvohJt6meA
能舞台入場は無料
後楽園入園料は規定通り
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