
しおさとまつり
2022-03-12 (土)
計画概要
玉野の塩づくりとまちづくりに関係する新作狂言を作り、プロ狂言師の指導を仰ぎながら日本古来の伝統芸能に相応しいものに仕上げ、「しおさとまつり」として古典及び新作、並びに先生出演の狂言を公演します。
今年の新作狂言は、地域住民はもとより多くの人々から慕われている、広潟の「北向き地蔵」を取り上げます。このお地蔵さんは、古くから様々なご利益があるというのでお参りする人が絶えることがありません。2020~21年は、思いもよらない新型コロナウイルスにより世の中の価値観が一気に変わり、ストレスや不安を抱える人が増えました。そんな中でも地蔵尊の存在が、心の拠り所としてそのような状況を改善してくれるかもしれません。笑いの芸能により、楽しみや心のケアを図ることのできる存在を知ってもらい、少しでも気分が滅入る人への癒しとなることを期待して取り組みたいと思います。
日時:2022年3月12日(土)14:00 開演 (13:30 開場)
会場:玉野市立荘内市民センター2階ホール
公演番組:
(1) 古典狂言:柿山伏(カキヤマブシ)、仁王(ニオウ)
(2) 新作狂言:しおさとの北向き地蔵(シオサトノキタムキジゾウ)
(3) 田賀屋夙生師出演番組:昆布売(コブウリ)
番組概要
(1) 柿山伏(カキヤマブシ)
(粗筋)永年の修行の帰り道、腹の減った山伏(=修行僧)は道端に広がる柿畑を見つけます。苦心の末になんとか木に登って柿を食べ始めると、そこへ柿畑の持ち主が通りかかり、見つかってしまいます。山伏は木陰に隠れますが、畑主にあれこれとからかわれて困りながら・・・。
(出演)山伏/相澤恵子、畑主/成瀬和惠
(2) 仁王(ニオウ)
(粗筋)例の手慰み(=博奕)で財産を散々に失った男は、知合いのもとを訪ね今後の生活について相談します。知人の提案は、上野に霊験あらたな仁王が降臨したと流布して、自ら仁王に成り澄まし、参詣人から供物を手に入れたらどうだと悪知恵を与えます。名案と察した男は、早速仁王の姿に身を替えて・・・。
(出演)博打打甲/斉藤章夫、博打打乙/小坂運子、立衆/脇坂和子、田中宣史、西村秀子、成瀬和惠、相澤恵子、足の叶わぬ者/成山佳子
(3) しおさとの北向き地蔵(シオサトノキタムキジゾウ)
(粗筋)宇野港築造で広潟浜が埋め立てられ、二六番浜にあった「二六のお地蔵さん」が今の北寄りの位置に移築されてから5年が経ったことを記念して、「地蔵まつり」を行なうことになりました。新しく広潟に移り住んできた新参の者は「この北向き地蔵のお陰が凄いというのは何でだろう?」と興味津々ですが・・・。
(出演)元浜子頭/斉藤章夫、近所の者甲(かーず)/成瀬和惠、乙(ひいで)/西村秀子、丙(よっし)/成山佳子、丁(おっけ)/相澤恵子、戊(ずっこ)/脇坂和子、和尚/小坂運子、玉爺/田中宣史、後見/広坂武昌
(4) 昆布売(コブウリ)
(粗筋)大名は外出しますが供の者がいないので、通りかかった者に太刀を持たせようと、丁度通りかかった若狭の昆布売りが嫌がるのに無理やり太刀持ちをさせます。昆布売りは、大名の隙を見て太刀を抜いて脅し、腰の小さ刀を取り上げ「昆布召せ、昆布召せ」と昆布を売らせ、終には・・・。
(出演)大名/島田洋海、太郎冠者/田賀屋夙生
活動の狙い
玉野市がかつて塩づくりの里つまり「しおさと」であったことを知る人は、若い世代ではそう多くはありません。玉野市東部の胸上地区にナイカイ塩業㈱という日本有数の製塩業を営む会社があります。そのルーツを辿ると「塩田王」と呼ばれた児島の野﨑武左衛門が山田・胸上地区に開発した東野﨑浜塩田に遡ります。玉野市内で遺跡や遺構などが目に見える形で幾つもの製塩の痕跡を残しているのは、今では山田・胸上地区だけですが、実は玉野では、市内の全域で入浜式塩田や枝条架流下式塩田による製塩事業が営まれていました。
私たちは、そんな製塩の町がどうやって今のような形の町に変遷していったのか、玉野の歴史や文化・産業・人物などを学び、先人たちの思いに少しでも近づいてみたいと考えました。そのことが玉野に住む人たちの日々の営みをより良くしたいという思いに通じるのではないかと考えたからです。「しおさとまつり」は、玉野の製塩にまつわる歴史・文化・産業・人物などを、狂言という日本古来の伝統芸能によって笑いながら学び笑いながら伝え、しおさと玉野の様々な物語を語りつぎ、玉野への愛着を深めてもらいたいと願っています。
このような活動を行うことによって玉野市の文化度が上がり、芸術文化で町を明るくしようとする多くの人たちに「玉野はいい町だよね」との意識が芽生え、「玉野に住んでよかった」と言えるような郷土愛が生まれる、そのような文化度の高い明るい社会を目指します。
コロナ対策
(1) 入場制限:110席(満席(222+28(補助席)=250)の半数以下)とする。チケット販売は、スタッフによる手売りのみとする。
(2) 受付留意事項:マスク着用確認、検温、連絡先記入
(3) 会場留意事項:着席は一つおきに可能とする(一つおきに着席禁止札を貼る)。出入口を開放。
実施体制
(1) 主催:玉野しおさい狂言会
(2) 共催:玉野みなと芸術フェスタ実行委員会、NPO法人みなと・まちづくり機構たまの
(3) 後援:玉野市、玉野市教育委員会、玉野市文化協会、(財)玉野産業振興公社、(公社)玉野市観光協会、玉野商工会議所、玉野商工会議所青年部、玉野商工会議所女性会、玉野SDGsみらいづくりセンター、瀬戸内国際芸術祭たまの☆おもてなし推進委員会、玉野市コミュニティ協議会、玉野市女性団体連絡協議会、三井E&S玉野協力会、山陽新聞社、倉敷ケーブルテレビ
(4) 協力:田賀屋狂言会
(5) 助成:(公財)福武教育文化振興財団
なお、後楽園公演は、新型コロナの蔓延防止が延長になったことにより、3/2(水)→3/14(月)に変更となりました。
恐れ入りますが、予定表ご記入の方には、訂正をお願いします。
お問合せ:090-5260-9057(斉藤)
田賀屋夙生師
笠岡市在住の狂言師。1980年四世茂山千作師(故人)、十三世茂山千五郎師(故人)に師事。1989年より「田賀屋狂言会」を主宰。岡山県芸術文化賞審査委員を務めるなど、岡山を中心に精力的に狂言普及活動を行い、海外でも高い評価を得ている。
2009年より「玉野しおさい狂言会」を指導。
島田洋海氏
田賀屋夙生師の次男。2002年十三世茂山千五郎師(故人)に入門、師事する。同年京都能楽養成会入会。修行中は日本一忙しい書生を自負し日々精進する。2009年4月京都能楽養成会を卒業し独立。2019年3月、極重習いの『釣狐』を拓く。現在京都を中心に活動しつつ、岡山周辺にも狂言普及のために活動の場を拡げている。
https://www.facebook.com/%E7%8E%89%E9%87%8E%E3%81%97%E3%81%8A%E3%81%95%E3%81%84%E7%8B%82%E8%A8%80%E4%BC%9A-111715197184856
入場料:一般/1,500円、学生(大学~小学生)/500円、乳幼児/無料
チケット購入は、会員(「しおさとの北向き地蔵」出演者欄ご参照)にお問合せください。
玉野市立荘内市民センター:日曜・祝日・年末年始
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