futagami naoki exhibition 「神々の世界」

かつて今から20年以上前、原宿表参道の路上の片隅に無法地帯化したマーケットが存在した。
アフリカ人,インド人,ネパール人,ブラジル人,チリ人,日本人etc 国際色豊かな自由人達が路上に座り込み、商売をしたり自己表現の場として集まり、毎日お祭りのように賑わっていた。それは資本主義の片隅に奇跡的に生まれたユートピアのようだった。
そんな中Naoki氏に出会ったのだが彼はその路上でも特に異質な存在だった。
極彩色の布の上にインスタレーションのように無数に並べられたどこの国かいつの時代のものかわからない動物の骨や牙や石や古木で組んだアイテム。これはアクセサリーなのか？なんの為の道具なのか？用途も使い方も未知数な不可解の塊。そしてその中心に座り込む明らかに日本人とは違う匂いを纏うnaoki氏。どこにも属さないそれらの造形は合理化にまっしぐらの近代都市の一角に現れた明らかな異質(ノイズ)だった。
その頃の原宿は表参道ヒルズやシャネルやグッチなどのハイブランドの巨大なビルが立ちはじめた頃で、その影響か路上に厳しい規制がかかり、路上のエキセントリック達は次々と捕まりひとりひとりと各地に消えていった。
naoki氏はその後イスラエルに移住し、今もずっと変わらずに制作を続けている。そんなfutagami naokiの新作の展示である。

futagami naoki exhibition
「神々の世界」
4.10[mon]-4.16[sun]
open:10:00〜
場所:東山ビル3F