
トークセッション「未登録有形文化財への思いと建築から観るまちの魅力」&現玉野市庁舎見学ツアー
2026-09-26 (土)
現玉野市庁舎および旧玉野市立総合文化センターは、文化庁が2015 年度から実施した「近現代建造物緊急重点調査」において、特に重要な価値を持つ文化財として保護すべき建築物の一つにリストアップされました。これら建物の建築としての魅力、街の景観や施設利用に対する市民の評価、また町の魅力やまちづくりの在り方などの提言について、建築の専門家を始めまちづくりに造詣の深い各界の代表者にご登壇いただき、語り合っていただきます。またトークセッション終了後、庁内見学ツアーを行い、市庁舎の設計に込められた思いや意匠の素晴らしさなどに触れたいと思います。
会場:現玉野市庁舎1F ロビー
第1部 1F特設会場
トークセッション「未登録有形文化財への思いと建築から観る街の魅力」
13:30~16:00 開場(12:45~)定員50名(先着順・定員に達し次第受付終了)
第2 部 RF~各階~終了後、南側玄関で記念撮影
現玉野市庁舎建築見学ツアー
16:00~16:30 参加はトークセッション参加者のみ
第1部のトークセッションに参加した人のみがツアーに参加できます。
※ 留意事項
1. 入場制限:庁内見学ツアーのみの参加はできません。トークセッションに参加した人のみが庁内見学ツアーに参加できます。トークセッションと町内見学ツアーはセットです。
2. 受付時間:受付け開始は12:45とします。トークセッションが始まりましたら玄関のドアを閉め入場できなくなりますので、必ずトーク開始までにご入場されますようお願いします。なお、受付は定員に達し次第終了とさせていただきますので、ご了承ください。
2. 暑さ対策:会場の冷房は使用できません。熱中症に気を付けましょう!参加者には熱中症対策として飲料水(ペットボトル)をお配りしますが、ご自分でも必ずご持参ください。
3. 記念撮影:見学ツアー終了後、南側玄関で記念写真を撮ります。できるだけ全員ご参加をお願いします。
玉野市庁舎概要
現玉野市役所本庁舎は、1966 年(昭和41 年)に竣工し、60年にわたり玉野市の行政の中心として市民の暮らしを支えてきました。
宇野港に近い新浜塩田の埋立地に建設され、中央に2層吹抜けの市民ホールを配置し、その周囲を行政機能が取り囲む明快な平面構成を特徴としています。さらに、吹抜け上部には無柱の大会議室や議場を実現する大胆な構造計画が採用され、当時として先進的な庁舎建築として計画されました。外観は、力強く張り出したバルコニーや塔屋(展望室)、コンクリート躯体を率直に表現した造形によって構成され、日本のモダニズム建築を代表する庁舎建築の一つとして高く評価されています。設計は、軽量鉄骨鉄筋コンクリート構造の研究で知られる株式会社K 構造研究所、施工は前田建設工業株式会社が担当しました。
建築的価値が認められ、文化庁が実施した「近現代建築物重点緊急調査」において、岡山県を代表する近現代建築の一つとして選定されました。また、登録有形文化財となり得る価値を有する建築として評価され、市民にとっても玉野の歴史と記憶を象徴する建築として親しまれてきました。
総合文化センター概要
浦辺鎮太郎の設計による玉野市総合文化センターは、道路側の図書館棟と2階で分節された奥の南側の278席のホール棟からなり、1階は展示、研修、喫茶などの施設が入る。外観は2階のバルコニーや3階サッシ高さ部分のボーダーで積層感が強調され、段状のバルコニーにより西欧モダニズム風の客船イメージが際立つ。中庭の螺旋階段も船上の軽やかさを呈している。南側にメイン・エントランスのあるホールは、東側端部を帆先のような舟形五角形平面とし、断面的にも2階部分を跳ね出し、こちらも船のイメージを呈する外観は屋根部分の多面的な形態と外壁のリブによって浦辺特有の意匠性を醸し出している。
1階は中庭を中心に循環ルートとなっており、ホワイエへの階段の曲面で構成された浦辺特有の造形と施工精度は注目に値する。展示室は、波形の側壁を屋上庭園に現すトップライトで採光された特徴的な空間となっている。2階のホワイエ中央の柱と柱頭の円形折り上げ天井には、作野旦平によるシンボリックなガラスモザイクが施され、ホール天井は星座をあしらったダウンライトのレイアウトと神話の絵柄が見られる。
パブリックゾーンの天井高さもヒューマンスケールで、内外装仕上げも吹付タイルやかき落とし、ゴムタイルといった材料選択と触感も、人にやさしい庶民的な船と海のまちを象徴する建築作品になっていた。1970年代初頭の文化事業興隆の潮流のもとに建設された本施設は、基盤産業の衰退と交通手段の変化に伴って、惜しくも2021年に幕を閉じて解体された。
玉野市市民会館の概要
この建物の設計者が誰かはネットで調べる限り分からなかった。当時は玉野市にも設計技術者がいた可能性があり、おそらく自前で設計された可能性も否定できないが、そこまでの調査はできていない。しかし、この建物について語った玉野市の設計士は、以下のようなことを記述されている。
大きな窓のある階段室をを上がり、天井の高い光あふれる3階ホワイエ を真っすぐ進み、反対側の階段を下りると、イタリアっぽいモダニズムのシークエンスがとても美しい。1階ピロティ の円柱が3階ホワイエの大空間を貫いて、ヴォールト 屋根を支えている。まるで、ジュゼッベ・テラーニ か?アダルベルト・リベラ か?イタリア合理主義を彷彿とさせるイイ感じ。
と述べておられる。
トークセッションの概要
本トークセッションでは、60 年にわたり玉野市の行政の中心として親しまれてきた現玉野市役所本庁舎を舞台に、その誕生の背景や歴史、建築的な特徴を振り返ります。モダニズム建築としての魅力や設計の工夫、庁舎が果たしてきた役割をひも解きながら、市民の皆さまとともに建物への思い出や記憶を共有します。また、建て替えを迎える今だからこそ、これからの公共建築やまちづくりのあり方についても考え、未来への展望を語り合います。トーク終了後には館内見学を実施し、普段は意識することの少ない建築空間の魅力や細部を実際に体感しながら、長年親しまれた庁舎との最後の時間をお過ごしいただきます。
パネリスト
大関 龍一 武蔵野美術大学建築学科助手
1997 年 茨城県生まれ、2022 年 武蔵野美術大学 修士課程デザイン専攻建築コース修了。大学在学中に玉野市にて活動。修了制作にて玉野市民会館計画を提案し武蔵野美術大学にて優秀賞を受賞。同大学建築学科研究室助手として勤務。現在は住宅やホテル、キャンパスの設計に携わる。
楢村 徹 ㈲楢村徹設計室・一級建築士
1947 年 倉敷生まれ、1972 年 広島工業大学卒業。建設会社設計部勤務ののち1981 年 倉敷建築工房 楢村徹設計室設立。古民家再生工房、倉敷町家トラスト、倉敷再生塾等の設立2010 年からは倉敷市中心市街地活性化事業のタウンマネジャー就任し今に至る。
阿部 泰久 山田中学校社会科教諭
1963年岡山市生まれ。岡山県古代吉備文化財センター勤務の後、公立中学校、在外日本人学校教師として社会科を教えてきた。玉野市では八浜、宇野中学校を経て現在は山田中学校に勤務している。学校教育の傍ら、地域の歴史・文化研究や地元の方との交流を、教育活動や地域巡り講座に生かしてきた。建築、考古学に関心が深い。
柴田 義郎 玉野市長
1961 年 玉野市生まれ。地元の小中高校を経て、1984 年中央大学法学部法律学科卒業。岡山県に入庁。中山間・地域振興、子ども未来、福祉政策企画、保健福祉の要職を務め、県立大学副理事長兼事務局長を最後に岡山県退職。2011年「玉野、再始動。」を掲げ、玉野市長選に初当選。2015年再選。
モデレーター
山本 晶大 現代美術作家
1988 年高知県生まれ、2013 年 尾道市立大学 芸術文化学部 美術学科卒業。学生時代から空き家や古民家の再生活動、まちづくり活動などに関わり始め、空き家を使った現代アート作品の制作・発表やリノベーション、建築・街並みの保存・啓蒙活動を行う。2018 年にドイツから玉野市に移住し、玉野市ではまち歩きワークショップなども行なっている。
https://www.facebook.com/tamanominartfest
https://tamanokankou.com/event/
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